年収1,000万円の会社員すら、この国における奴隷に過ぎない。

2022-03-05

今年度の「国民負担率」48% 前年度上回り過去最大の見込み(NHKニュース)

↑この本とこの記事を読んで、今の日本が”分かって”しまった。今の日本においては、年収がいくらだろうが、会社員は日本国という民主主義国家における奴隷に過ぎないらしい。

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きっかけ

私がそう感じたきっかけは、先ほども引用したお金持ちになれる黄金の羽根の拾い方このニュースだ。だが、他にももう一つきっかけがある。

それは、会社員同士が年収の多寡でマウントを取り合い、炎上するタイムラインをたびたび目にすることだ。

「年収○○万円に言われても、説得力がない」「年収○○万円もあるんだから、これぐらい負担するの当然だろう」「あいつらは裕福なんだから、もっとあいつらから税金を搾り取れ」etc.

不毛なやり取りだなあ、と感じていた。こんな言い争いは何の解決にもならない、と。

しかし、この炎上タイムラインと、さっき引用した本とニュースを掛け合わせたとき、「もしや、この会社員の分断は、故意なのではないか?」と感じた。

年収が高い人は、累進課税制度により、税金を多く払っている。その税金は、国民全員のために使われる。税金を原資とする公共サービスは、支払った税額の大小を問わず、一定だ。それなら、税金の負担額は少ない方が絶対に良い。ネットフリックスの契約時、「月1,000円支払っても月10,000円払っても、皆さんに対して全く同じサービスを提供しますよ。」と言われれば、後者は誰も選ばない。そう考えれば、年収が高い人を有り難がることはあっても、「あいつらは…」なんて感情、芽生えないのではないか?と。

そうしていくうちに、会社員の分断は、中世における奴隷同士が「私のご主人様は最高の主人だ。たくさん美味しいものをくれるし、きれいな服をくれる。私は恵まれている。」「私のご主人様は人使いが荒い。精一杯働いても古い服しかくれないし、腹いっぱい飯を食うことができない。」と言い争っているのと同じではないか?と感じた。同じ穴の狢である奴隷同士が言い争っているにすぎない。

いきなりだが、皆さんは奴隷に反乱をさせない方法を知っているだろうか?

ご飯をたくさん上げること?清潔な家に住ませること?それとも、美人な嫁を与えることだろうか。

一度豊かさを味わった奴隷は、今までの貧しさに耐えられない。不平不満が増えるだけだ。もうこの話の流れでお分かりかもしれないが、私の知る、奴隷の反乱を防ぐ唯一の方法は、奴隷同士を協力させないことだ。つまり、奴隷同士を分断させることだ。

↑会社員がこれを読めばヒェーッとするだろう。私は冷や汗が止まらなかった。

奴隷同士の交流を妨げ、一部の奴隷を優遇する。奴隷同士で争わせ、敵対関係を築かせる。奴隷同士が非協力的であればあるほどいい。そうすることで、ご主人様は安心して眠りにつくことができる。奴隷同士が争っていれば、ご主人様自身に目が向かなくなるからだ。

では、そのご主人様が、力も武器もない奴隷を、恐ろしいと感じるときはどういうときだろうか?

奴隷の不平不満が大きくなったとき?裏切りの計画をしているとき?奴隷が自分のためにしか行動しないとき?

ご主人様が恐れる唯一の状況は、全奴隷が武器を持って終結、団結したときだ。その状態の奴隷は、手が付けられない。個人の利益ではなく、全奴隷の利益のため、命を投げうってくる。何をしでかすか分からないし、奴隷側に建設的な話を受け入れるキャパがない。結果的に、奴隷がいないと商売にならないご主人様は、折れるしかないのだ。

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日本における"権力者"は誰か

皆さんご存じだろうが、日本は民主主義国家だ。民主主義とは、つまるところ多数決だ。文化祭の出し物を何にするか決めるとき、一人でも多く賛成した方を全員で作り上げる。それを、多数決という。政治家も一緒だ。一人でも多く賛成した方を、"日本国民全員"で実行していく。

民主主義国家における多数決は、投票によって行われる。私たちが選ぶ政治家は、教室の中にいる生徒が40人だとしたら、政治家は、その40人から選ばれなければいけない。その中のうち、乗り気ではなくサボりそうな人がいれば、その人たちを除いた生徒から選ばれようとするだろうし、「確実に投票してくれそうな人に対してウケがいいことを実行しよう」と考えるだろう。その人達にウケることが、社会にとって正しくなくても。

ここで問題になるのは、日本における"多数派"は誰か、という点だ。

私はここで、「少子高齢化社会」というワードが浮かんだ。しかし、浮かんだだけで、その実態を把握していなかった。そこで、少子高齢化の統計を実際に見てみようと思う。

参照元:平成27年及び令和2年国勢調査結果による補間補正人口

国が出している情報をもとに、エクセルで簡単に作ったグラフが↑だ。

20歳~60歳は60%、60歳~100歳は、33%。(そんなことより、少子化が想像よりはるかに深刻で驚いた。今の40代の約半分が、今の0歳~10歳だった。0歳~10歳は、数値だと9,657,000人。かなりの少子化だ。今の20代の比じゃない。)

これは、現役世代は60%で、年金受給者(※みんながもらっているわけではないのであくまで最大値)は33%ということを意味している。数値は以下の通りだ。

  • 0歳~20歳  21,981,000人
  • 20歳~40歳  27,268,000人
  • 40歳~60歳  34,928,000人
  • 60歳~     41,969,000人

次に、現役世代の年代別統計が気になったので、そちらもグラフしてみた。

現役世代である20歳~60歳をグラフ化

これを見ると、40代~60代の数の多さに驚かされる。数値は以下の通りだ。

  • 20歳~30歳  12,747,000人
  • 31歳~40歳  14,521,000人
  • 41歳~50歳  18,631,000人
  • 51歳~60歳  16,297,000人

補足だが、60歳以上を分類化すると、こうなる。

  • 60歳~70歳 17,602,000人
  • 71歳~80歳 15,560,000人
  • 81歳~90歳 8,419,000人
  • 90歳~100歳 1.888,000人

これが日本国民の全貌だ。

さて、そろそろ多数派は"誰"なのか、日本国における"権力者"は誰なのか、お分かりいただけただろうか。

会社員はどうしたらいいのか?

民主主義において、政治家は多数の意見を聞くようにできている。多くの人が自分に投票してくれないと政治家になれないし、政治家を続けることができない。

民主主義の奴隷たる会社員よ。自分の利益のために会社員同士で協力し、団結せよ。あなたたちが争うのは"自分以外の会社員"ではない。あなたの取り分をあなた自身に還元してくれない、理不尽な“ご主人様”に牙を向けるべきだ。「私たちを怒らせたらこうなるぞ」と、会社員同士が手を取り合って分からせなければいけない。

ここで、冒頭のニュースに戻ろう。

社会保険料(という名の税金)負担がなぜ増えるのか?それは、「医療費・年金を削減するな!削減するぐらいなら、会社員の取り分からを差っ引いて補填しろ!」という"多数の人"が、今の政治家の”ご主人様“だからだ。その人たちは、協力して団結することで、政治家の”ご主人様“になった。

母数が多いことは、民主主義において正義だ。高齢化社会とは、高齢者が多いという意味だ。多数決で物事が決まるこの日本において、マイナリティはいつだって弱者だ。弱者たる若者が”ご主人様“になるためには、どうにかして味方を増やすしかない。説得、放棄、泣き落とし、なんでもいい。自分の持っている武器を使い、どうにかして弱者の影響力を上げなければ、弱者は弱者のままだ。若者は弱者のままだ。

何度も言うが、未来の日本のために行動すること、会社員の不平不満を無くすことは、政治家の利益にならない。そんなことをしても、”ご主人様“の機嫌を損ね、自分の首を絞めるだけだけだからだ。

重い荷物を抱えながら祈っている場合ではない。会社員よ、団結せよ。

蛇足

Q.結論は高齢化社会の話なのに、なぜ”会社員”と表現したの?

本当は「20代~40代の会社員」と表現したかった。

  • なぜ“会社員”か

会社員は「厚生年金保険料」という重い荷を担っているという点で、自営業者に比べて税負担が大きい。その上会社員は、「厚生年金保険料」を逃れる方法がない。自営業者と違って、所得を下げる工夫がほとんどできない。そしてその保険料は、問答無用で上がっていく。年収が高ければ高いほど負担が大きい。毎月職員の給与を作成している身からすると、年収高い人本当ありがとうございます!と思う。私は何にも言えない、こんなに税金払ってくれてるんだもん。本当に本当にありがとうございます、高年収者は社会貢献の鏡です。

まあ、詳しくはこの本を読んでください。そして、この本を読んだばかりで、私自身この本の内容をまともに受けすぎている自覚があるので、誤っているところがあれば教えてください。

  • なぜ“20代~40代”か

50代の会社員は、「先輩方が吸ってきた甘い蜜(医療費安い、年金ホクホク)を将来どれだけ吸えそうか」が重要なので、会社員の税負担が増えようが、他人事でしょう。むしろ、税負担が増えれば増えるほど嬉しいのではないでしょうか?なぜなら、それが引退後の自分に年金として返ってくると思えるから。自分たちはまだ、"逃げ切れる"と思っているから。そういう意味で、団結すべき弱者たる会社員は、20代~40代の会社員だと思っています。そして、この年代は結束したところで50代以降の総数にはかなわない。母数が少ないって、本当に弱者だよね。現総理は年収をあげようとしているのかもしれませんが、年収が上がろうが、高齢者増加→税負担が増える→毎月控除される社会保険料が勝手に増える。だから、額面年収が上がろうが、実際の手取りは変わりませんよ。むしろ、毎年昇給しない場合、毎年手取りが減るでしょうね。はあ、書いてて悲しくなってきた。

20代~40代の会社員たち、団結しましょう。持てる武器を全て使いましょう。“ご主人様”がいつか報いてくれるはず、と祈るだけではこの負担は重くなる一方ですよ。”ご主人様“は豊かじゃないので、気を遣わなくていいところに気を遣うなんて余裕はありませんから。