新書『印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ』(中野京子)は、絵画初心者にオススメのエンタメ教養本【読後レビュー】

2022-02-19

この本は、前回紹介した文庫『怖い絵』の著者と同じく、中村京子さんが書いた本です。

絵自体が怖いのではなく、その絵が描かれるまでのストーリーが、怖い。

2021年上半期は、中野京子さんがマイブームだったので、中野京子さんの本はほとんど読みました。

その中でも、文庫『怖い絵』と同じぐらい面白かったのが、この本。

今回紹介する新書『印象派で「近代」を読む』は、3ページに一回くらい絵画をカラーで説明してくれるので、かなり気軽に読むことができます。

トイレや寝室に置いて、ボーッとしたいときに眺めるのもいいかもしれません。

読書が苦手な方でも楽しめるほど、退屈な字面が少ない、芸術解説系の本にしては珍しい本です。

この本の面白いところは、絵画自身の話をするのではなく、その絵画が描かれた当時に生きていた人たちの人生を、絵画を通してリアルに想像させてくれるところです。

日本では、印象派展が頻繁に開催されているほど、ファンが多いですよね。

では、なぜ日本では印象派が人気なのか?

それは、印象派は絵画の知識がなくても楽しめるからです。

エッ?それまでの絵画は、知識がないと楽しめないものだったの?とお思いのあなた。

はい、その通りです。

それまでの絵画は、知識がある人達のマウントの取り合いのために描かれていた

パロディが面白いのは、原作を知っているから。

絵画も同じです。

今までの名作を真似して、自分の味を出す。もしくは、原作をもとに、自分の味を出す。

だから、その絵画が何を言いたいのか汲み取ることができなければ(原作を知らないのなら)、その絵画自身には何の面白みもないんです。

そんなマウントの取り合いが行われる中、印象派がなぜ人気になることができたのでしょうか。

興味がある方にはぜひ読んでほしい一冊です。

印象派(ゴッホ、モネ・・・)の絵画がすごく好きで、展覧会に足を運んでいる方にも是非読んでほしい!

展覧会の音声ガイドよりよっぽどわかりやすく、そして面白く解説してくれているので。

そして何より、キレイな絵をじっくり見ることでうっとりできるので、やっぱりこの本は最高です。